データサイエンス人材教育の必要性

近年、データサイエンス人材の必要性が声高に叫ばれている。それは今後の事業構造の特性を考えると、当然とも言える。また、現在のデータサイエンスはAI(人工知能)と技術的にはかなり近く、ともに機械学習という技術を用いている。もはやデータサイエンス≒AIとみなしても問題ないだろう(もちろん、AIにはロボティックス、つまりロボットの体の部分の考慮も必要だ)。

AIは今後、インターネットのような存在としてあらゆる業界に浸透する

現在、ほぼすべての企業が多かれ少なかれインターネットを利用しているが、AI(人工知能)はインターネットと同様の存在としてあらゆる業界・企業に浸透していくことになるだろう。車の自動運転技術やAI婚活(マッチングサービス)をはじめ、AIを組み込んだ製品やサービスがどんどん増えていくことになる。

なぜデータサイエンス教育が必要なのか?

日本では今後、労働力人口(働く人の人口)が大きく減っていくと予想されている。その労働力を補うためには、一人あたりの労働時間を伸ばすか、働いていなかった人(高齢者や専業主婦など)に働いてもらうか、生産性(効率)を上げることが求められる。そして、この生産性(効率)を上げる技術こそAIなのである。AIは、「人の判断」を自動化できる。有名なところでは、電通による「TUNA SCOPE」だ。これは、マグロの尾の画像から品質判定を行うAIであり、職人の判断を高い精度で模倣可能だ。このように、AIは、これまで人が担っていた頭脳労働を自動化できるのだ。だからこそ今後の日本にとって、AIの活用は必須なのである。

一方で、マウスやキーボード操作などの単純なパソコン作業、つまり単純頭脳労働を代替できるソフトであるRPA(Robotic Process Automation)も、企業や自治体からのニーズが高い。

労働力人口が減少していくかどうかに関わらず、今後世界は高度に自動化していくことがほぼ確定的な未来として予想される。そう考えると、データサイエンスは世界規模でその重要性が高まっていくだろう。

大学においてAI必修化の時代へ

文部科学省は、大学の1,2年次ですべての学生がデータサイエンスを学ぶ計画を打ち出している。筆者もこの流れに賛同しており、ぜひ推進していきたい考えだ。

私たちは現在、プライベートでもスマートフォンなどのIT機器を使い、当然のようにインターネットを活用して情報を収集している。したがって、日常生活を過ごすなかでもITの知識はある程度蓄積される。一方で、データサイエンスに関しては、日常的に学ぶことは難しく、何かしらきっかけが必要である。そのきっかけとして、大学の1,2年次に学ぶ機会があれば、それをきっかけとしてさらに深く学ぶ学生が出てくるはずである。

大学などにおけるデータサイエンス講義のニーズがあれば、弊研究所も協力を惜しまない。

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